転ばせてしまったお地蔵様参り

高校1年の秋の終わりにお地蔵さまを倒した。
実家は凄い田舎で山際の畦道を自転車で通学しており、木の葉が落ちて道に散乱し雨が降った後だったので滑りやすくなっていた。
そんな条件の中で理由もなく、急いで自転車を走らせていた私は落ち葉で滑り自転車から投げ出されるようにして転んだ。
痛みと泥だらけになった事にショックを受けながら、滑って明後日に行ってしまった自転車に跨ろうと見てみたら、自転車は道端に鎮座していた古いお地蔵さまにぶつかったようで、お地蔵さまが背中を枯葉や土まみれにして横たわっていた。

特に信仰心が強い訳でもないが「これはまずい」と血の気が引いたのを覚えている 。
非力だったので10分程度の時間をかけお地蔵さまを元にあったであろう所に戻し、泥だらけのお地蔵さまをタオルハンカチで可能な限り丁寧に拭いた。(つもり)
あまりにも泥だらけだったし、膝や頬を擦りむいていたのでその日は学校を遅刻する事にして家に戻り着替えた。

その日の帰り道、お地蔵さまに「今朝はすみませんでした」と手を合わせたがそれからしばらくはお地蔵さまが気になって仕方がなく
「謝るだけじゃ祟られるかもしれない」と不安になり学校のある時は毎日毎朝お地蔵さまに手を合わせるようにしてみた。
時々、庭に咲いたバラをお供えし、夏はペットボトルに麦茶を入れたのをお供えにしてみたり…そんな事を卒業するまで続けていた。
高校を卒業し進学の為引っ越すにあたりお地蔵さまに最後の挨拶に行った際
「大学に行くので明日この町を出ます、今日限りでお地蔵さまへのご挨拶が出来なくなってしまいますがどうかご容赦下さい」
と心中で呟いたら
「もう気にしてないから、達者でお行き」とお爺さんの声が私の後ろから聞こえた。
びっくりして振り向いても誰もおらず私はかなり動揺しながら帰宅。
母に話してみても怪訝な顔をして「何言ってんの?」と言われるだけだった。

それから数年経ち、結婚妊娠し里帰りしたらまだあのお地蔵さまがあったので久々に手を合わせてきた。
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