かぁちゃんを化粧してあげる

母にはじめて化粧したのは静かな病室でだった 死化粧だった。
看護師さんが持ってきた病院の備品であろう一通りの化粧品。
うちは色白家系なんだからこのファンデーションの色は合わないよ、と思いながらパフにとりまだ少し温かい肌に滑らせた。
肝臓も少し悪くなっており、若干ではあるが黄疸がでていたため思いのほか色が馴染んだ。
アイシャドウはやめた。変に色をのせると顔色が悪くなりそうだった。
チークはコーラルピンクを気持ち広範囲にふんわりとのせたら血色が良くなった。
「お母さん睫毛短いね」
ってからかうとそんなことありません、と言わんばかりに目をぱちくりさせて強調させた睫毛は涙でよく見えなくて、上手く捉えることができずマスカラは断念した。
口紅は薄づきのベージュピンク 家に帰ってから私のグロスを使って重ねてつけた。
つやつやしてハリが出たみたいで若返ったように見えた。
フェリエで産毛の手入れもした。
今にも起きそうな顔だった。
起きて「ちょっとこの化粧若すぎない?」って笑って欲しかった。

それから私は母譲りのこの白い肌を誇りに思うようになった。
美人ではないけどね。
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