動物の気持ち

戦後間もない頃の話、昭和30年頃。

専業農家だったカーチャンが小学生だった頃まで、牛を飼ってたそうだ。
その牛に朝夕、畑の草を食わせに行くのがカーチャンの仕事の一つで毎日散歩のようにやってた。
小さい頃に家にやってきた牛はひどく懐いて、何も言わずともカーチャンについてくるようになって本当に仲良しになった。

しかし、数年経ってカーチャンが中学生になったある日・・・
カーチャンが学校から帰ると、家の前にトラックが。
カーチャンがバーチャンに「これ、なんのくるま?」と聞くと「・・・牛、連れて行くんよ」

カーチャンはそれで全てを悟って、泣き叫んで暴れて嫌がった。
それを見た牛はポロポロと大粒の涙を零しだした。
だけれど、牛は、自分がどうなるかを悟ったかのように、動かず暴れたりせず、立ったまま泣くだけ。
牛はトラックに乗せられてポロポロ涙流したままカーチャンをずっと見てた。

そこでバーチャンが「あぁ、あれはあんたを妹のように思ってたんねぇ」
カーチャンが正気に戻ったとき、業者もバーチャンもカーチャンも牛もみんな泣いてたそうな。
業者が言うにはそこまでの牛と娘はめったにいないとか。

そういう経験を経たカーチャンは今でも動物を愛するバーチャンになっている。
人間は他者の死の上で生きてることを忘れちゃいけない、と教えてくれた時に言われた話のひとつ。
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