チャイナリスク

前に務めてた会社の話。
実話。

中国進出を決めたのはかなり早かった部類。
当時からタイ、インド、ベトナムあたりも候補には上がってた。
最終的に中国に決まった理由はいくつかある。
諸々でみると一番日本国内への供給でみたときのコストがよかった。
それとどこぞの省の中国押しもあった。

実際中国での展開は谷あり谷あり。
まず工場での金型紛失が多発。
金型の保管庫の鍵を保管してる人がとかいうレベルではなく、発注した金型が出来上がったと聞かされて、受け取りにいったときには取られているレベル。
作ったは作ったのだから金を寄越せときたもんだ。
その辺りから契約先には社員を常駐させるなどの様々な対策が進んだ。
そうなると今度は自社工場から物が消える。
手薄なところからぽんぽんと消える。
気がつくと似たような製品を製造する商売敵が増える。
もちろん中国メーカー。

そんなこんなではあったけれども、はっきりいって被害を喧伝出来る状況でもなかった。
似たような苦境に陥ったメーカーさんもいくつかあったけど、事件化を企図して動き始めると必ずといっていいほど、警告かと思うような検査が唐突に入って操業が停止される。
中にいるやつが手引きしてるとしか思えないタイミングで、そのタイミングでその日程だと納期がと叫ぶしかないような感じ。

それでもなんだかんだで儲かっていたから、日本の本社では現地のこういうトラブルはみなかったことにしてた。
反日活動が活発化する前に人件費高騰問題は直撃してた。
うちの社の工場も中国の中では片田舎といった場所に建てたはずだけど、工場ができてから周りに家が増えたりなんなりで騒音に対する補償とか色々。

撤退が決まった時から地獄がはじまった。
リストラ策を決めて現地人責任者とも話し合っていた頃、唐突に工場に役人+兵器乗せた車両に乗った何かが来た。
その後からあーだこーだと上の方がもめて、どーだのこーだのと言っている間に、工場長が帰国できなくなってる事が発覚。
本社から厳命されている製造機械の完膚なきまでの破壊。
これを実行したら永久に日本に帰れないと脅されていると泣きべそかいてた。
とにかくお前たちだけでも帰れと言われて、出国停止処分受けてない組は帰国。

本社は工場長から製造機械の破砕処理の完了報告を受け取って、立合いには別のエージェントを送り込んで処理業者が破壊するところを記録してた。
工場長がこうこうこういう脅しをされてたんですよというと、本社の人間はまさかそんなこと実行するわけがないだろうという。

それから数年が経っても、工場長はいまだに帰国できてなかった。
リストラの際の工員の退職金とかの話には本社も応じていたんだが、工場跡地の土壌汚染やらなにやら、そもそも工場内で使っていない薬品が検出されたとかわけのわからない理由で訴訟多発。
とにかくありとあらゆる形で請求がきまくっていて本社唖然。
人質を取られる原因をつくった中国進出を決めた社長はひっそりと退職金もらって勇退。

俺を含め中国に赴任してた組は、工場長を見捨てて逃げ帰ってきたことで調子崩して休職→退職コンボ多発。
あっちの工員は結構良い人多かったけど中国政府が怖すぎた。

この古巣の会社、中国進出を決めた時の社長の経営手腕を失った後、次期社長には恵まれずに、結局類似製品つくってる中国メーカーに出し抜かれて、今じゃシェアを大幅に削りとられて二流メーカーまで落ちた。

一人の優秀な工場長と社長が中国に関わって社会的に抹殺された。
そういうお話はこれで終わり。
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