ケンビシにしてください

むかーしのこと。

得意先にお酒を持っていくので(←もうそういう時代、昔ね)、新人だった私が 酒屋へ買いにいくことになった。先輩が「お得意さんなんだから、ケンビシにしてね、絶対に
ケンビシ!」と言ったが、「ケンビシ」が「剣菱」という高いお酒だということを知らなかった私は
酒屋で「すみませんが、日本酒の大きい瓶を2本、ケンビシでお願いします」と言った。「おつかい ものですか?」と聞かれたので、「ええ、だからケンビシでお願いします」と返事した。

上等な箱に入れられて、丁寧に包まれたお酒を見て、こうやってきちんと包装することを「ケンビシ」というものだと間違って覚えてしまった。

何年か経って、結婚することになり、婚約者(現在の夫)と一緒に仲人さんに挨拶に行くとき、お酒を手みやげにすることにした。彼が「すみません、このジョニ黒(←また時代が出てます)をください」と言ったので、すかさず私が「ケンビシにしてください」と言った。「え?**さん、日本酒嫌いだよ」という彼に、「わかってるわよ。だからジョニ黒をケンビシにして持って行くんじゃないの」と鼻高々に言った。「ジョニ黒でいいんですね?」といぶかしがる酒屋の主人。
「はい、それをケンビシで」と言い続ける私の言葉を完全に無視してジョニ黒を包んでくれた。

仲人さんが包みを開けると「ジョニ黒か。張り込んだな」と満足そう。「ええ、ちゃんとケンビシにしてもらいました」と言う私を不思議そうに見つめる仲人さんご夫婦。「君、さっきからケンビシ、ケンビシって言ってるけど・・・」と言う婚約者に、私なりのケンビシの解釈を説明してあげた。

大笑いされた後、数年間の誤解が解け、あちこちで「ケンビシで!」と言っていた私の姿が走馬燈のように思い出されては消えていきました。
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