峰不二子に憧れて

中学のころ峰不二子が好きで、本名が一文字違いだったのも災いし、自分は不二子に似てるのでは?と思い始めた。
高校に入り、美容院で「峰不二子風で」と頼んだり、男子と目が合うと思わせぶり(なつもり)に微笑みウインクするなど奇行はエスカレート。
魔性の女を気取る一方で、より不二子に近付くために大型バイクの免許を取ろうと思い立った。
お金を貯めるために学校に内緒でバイトをしまくって、まず中免のため教習所に通った。
不気味な言動と付き合いの悪さで、気がつけば友達もいなかったが、不二子は群れないと思っていたので平気だった。

その後、大学に入ってから、また教習所に通い、人の倍近い時間をかけて大型免許を取得し、750ccのバイクと、十数万円のライダースーツ(流石に上下レザーは手が出ず、黒でほぼ無地)も買った。
バイトで稼いだ貯金はゼロになったが、いざという時は金持ちの男が貢いでくれると何となく思っていたので平気だった。
この頃には私が不二子を意識している事はバレバレで、ライダースーツで登校し、メットを外す度に頭をブンブン振り回し、尻を左右に振り振り歩く姿は陰で笑われていた。

だけど、それは「素敵。峰不二子みたい。」という羨望の笑いだとポジティブ解釈していたので平気だった。
だがある日、いつも通り足を突っ張って出来る限り尻をプリッとさせた座り方で信号待ちをしていて、脇の店のガラスを見て愕然とした。
全く不二子ではない女が、爪先立ちでバイクにしがみついていた。
地味顔のチビガリ貧乳が峰不二子なわけがなかった。今度ばかりは平気じゃなかった。
気付いた瞬間に恥ずかしくなって、髪を切り、その日から一切不二子の真似はやめて影のように生きた。
バイクだけは本当に趣味になってしまったので乗り続け、今はおじさんばかりのツーリングチームに混ざったりしている(若者は怖いので)。
でもあのライダースーツは恥ずかしくてもう着れない。高かったから気軽に処分も出来ず、箱が目に入る度に死にたくなっている。
て言うか今書いてても死にそうです本当に申し訳ありませんでした。
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