賢妻の内助

丹羽長重の家臣、江口三郎右衛門の家来に出口という60才の老将がいた。
出口は数々の武功を挙げたが、酒乱が災いして200石の薄禄に甘んじていた。

関ヶ原の合戦で、丹羽長重が大聖寺を攻撃した際、出口は江口隊として従軍したが、歳のせいでへばってしまい暫し休憩していた。

そこに、腰に短刀、片手に瓢箪を持った老女が江口の陣に向かって歩いて来た。
よく見れば、自分の妻ではないか。
「おーい、こっちだ!好物の酒を持ってくるとは感心な妻じゃ。」ところが妻は夫を無視して、江口の陣に向かう。
妻は江口の陣につくと、陣の外でへばっている夫を指差し、
「あそこにいるじじいは私のダンナです。戦場で昼寝するような男に酒を飲ませるバカはいません。あなたたちも、あんなろくでなしにならないよう、必死で戦いなさい。」と励ました。
そして、妻は浅井山によじ登り、前線にいる大将の江口に陣中見舞いの酒を届けた。
よろこんだ江口は酒を飲み干し、見事敵将を討ち取った。

さて、妻にバカにされた出口は奮起して、こちらも見事首を取った。
「ばばあ、首を取ったぞ。早く酒を飲ませろ。」
それを見た妻は笑い、
「あなたは酒飲みたさに奮起しただけでしょう。その首を取った手柄はあなたではなく、この瓢箪と言うべきでしょうが。」
とカラの瓢箪を振って見せた。
「くそ~、あのくそばばあに騙された。せっかくの首もムダになったわい。(あの古嫗に誑かされて、あだ骨を折りつる事よ)」と非常に悔しがった。

そんな夫婦のやりとりを見ていた江口たちは大笑いしたという。
(武将感状記)
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