かぁちゃんを化粧してあげる

母にはじめて化粧したのは静かな病室でだった 死化粧だった。
看護師さんが持ってきた病院の備品であろう一通りの化粧品。
うちは色白家系なんだからこのファンデーションの色は合わないよ、と思いながらパフにとりまだ少し温かい肌に滑らせた。
肝臓も少し悪くなっており、若干ではあるが黄疸がでていたため思いのほか色が馴染んだ。
アイシャドウはやめた。変に色をのせると顔色が悪くなりそうだった。
チークはコーラルピンクを気持ち広範囲にふんわりとのせたら血色が良くなった。
「お母さん睫毛短いね」
ってからかうとそんなことありません、と言わんばかりに目をぱちくりさせて強調させた睫毛は涙でよく見えなくて、上手く捉えることができずマスカラは断念した。
口紅は薄づきのベージュピンク 家に帰ってから私のグロスを使って重ねてつけた。
つやつやしてハリが出たみたいで若返ったように見えた。
フェリエで産毛の手入れもした。
今にも起きそうな顔だった。
起きて「ちょっとこの化粧若すぎない?」って笑って欲しかった。

それから私は母譲りのこの白い肌を誇りに思うようになった。
美人ではないけどね。
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そうは言っても親なんだから

うちの母は、小さい頃から「人のためになることをしろ」と子どもに教えてきたのよ。
だから、大人になってなんの疑いもなく骨髄バンクに登録したんだ。
知らせたら
「それはいいことだね。いつか提供できるといいね」
と言っていた。

で、ドナーに選ばれてさ。
「その人が元気になれるといいね。登録しててよかったね」
と母は言っていたわけよ。自分でもそう思ってた。
ところがですよ。いざ、提供の最終同意の段になったら、ものすごく険しい顔で
「心配なんです。後遺症が残るんじゃないか、本当に無事に終わるのか」
なんて言い出した。

何言ってんだよ。俺が登録するって言った時も、ドナーに決まったって言った時もずっと賛成してたじゃんか。喜んでたじゃんか。
そう言ったら、言うわけよ。
「心配なんだよ、親なんだから。お前が心配しなくていいって言ったって、親なんだから心配するんだよ!」
だから、俺は言ってやった。
「極当たり前に、人のためになることをしようと思えるように俺を育てたのは 母さんたちだろう。心配ないよ、絶対大丈夫だって」


それで、提供の入院するときも、完全看護なのに毎日見舞いに来てくれてさ。
いらないって言ってるのに、心配だから行くんだって怒るんだよ。
まったく、勝手だよな、親ってさ。

で、無事に骨髄採取してさ。そしたらさすがにショックで血圧下がって、氷みたいに体が冷たくなっちゃってさ。
電気毛布とかかけられて寝てるとき、母が手を握り締めてきて、言うのよ。
「無事に終わってよかったね」
手が、ものすごくあったたかった。

きっと、あのあったかさは忘れない。

お母さんはいつもダメダメって言うからさ

回転寿司のカウンターにて。
父親と娘(3歳くらい)。

娘「(歌いながら)おすし!おすし!うれしいな♪」
父「今日は好きなの取っていいよ」

娘「え!何色のお皿でもいーの?」
父「いいよ」

娘「プリンから食べてもいーの?」
父「プリンは最後にしよっかw」

娘「お母さんはいつもダメダメって言うからさ~、うるさいなあって思うんだ~」
父「www」

その後、ご機嫌で食べてたが急に黙り込む。
よく見るともぐもぐしながら、すすり泣き…

父「どうしたの?」
娘「おすし…ポテトもおいしい…ね」

父「おいしくて泣いてるの?」
娘「あのね、お母さんにも食べさせてあげたいなあって…思ってたらね、
悲しくなってきちゃったの。」

父「(ちょっと涙ぐみながら)…そうだね。元気になったら一緒に来ようね。」
その後もしゃくりあげながら食べ続ける娘。
お母さんはどうやら入院したようで、お見舞い帰りに回転寿司に寄った模様。

いつもより醤油がしょっぱく感じた出来事でございました。

心揺さぶられる10の犬の物語

人間と密接なかかわりを持つ動物として知られている犬は、常にそばにいることでその忠誠心を示す。
誰に指示されるわけでもなく、自らの強い意志でそばにいることを貫き通す。
いつもは飼い主の言いつけを忠実に守る犬でも、飼い主の身に危険が降りかかった時には、自らの意志でその命令に背く。

ここでは、ネット上で有名となった10の犬たちのそれぞれのストーリーを見ていくことにしよう。


1. 瀕死の飼い主のところへ救急隊を導いた犬
グレゴリー・トッド・トラバス(41)は、デビーの町近郊のフロリダ州道84号線を走行中にハンドルを取られ、橋脚に衝突、高速道路の上を車ごと400mも吹き飛ばされてしまった。
最初に通報を受けた救急隊が現場で車の残骸を探しはじめたがなかなか見つからない。
そこに脚をひきずりながら1匹の犬が現れた。
その犬は、トラバスがかわいがっていた愛犬のジャーマンシェパード、サイモンである。
サイモンは救急隊にこっちにくるようにと促した。
サイモンの案内のおかげで捜索隊は車の残骸とともに、トラバスを発見できた。
サイモンは車の残骸のまわりをくるくる回り、そして車に乗り込んだ。
トラパスの顔をいとおしそうに舐めると、彼の隣にちょこんと座って、車が動き出すのを待っていた。
しかし悲しいことに、トラバスが再びこの車を運転し、サイモンとドライブすることは二度となかった。


2.亡くなった飼い主の墓の側をずっと離れない犬
この話は前にカラパイアでもとりあげたものだ。
キャプテンという名のジャーマンシェパードは、2006年、飼い主である、ミゲル・グズマンが亡くなった直後、家から出て行ってしまった。
いったいどこにいってしまったのかと探し回ったグズマンの家族だが、キャプテンを発見することはできなかった。
ところが、1週間後、ある場所でキャプテンと再会することになる。そこは、グズマン氏が眠るアルゼンチンの町、ヴィラ・カルロス・パズにあるお墓であった。
キャプテンは故人が埋葬されているそのお墓に寄り添うように座っていたのだ。
ここで待っていれば故人と再び会えると思っていたのだろう。
以後6年間、キャプテンはこの場所から離れられず、ここで暮らしている。
キャプテンは日中は前に住んでいた自分の家に帰っていくが、暗くなる前にはいつも墓地に戻って来る。


3.迷子になった2歳の子を14時間ガードし続けた犬
オーストラリアの未開の灌木地域で迷子になっていた2歳の男の子、ダンテ・ベリーくん。
捜索隊の懸命な捜査活動により14時間後、ビクトリア州内のミルデューラ市にあるダンテ君の家から4㎞以上も離れた場所で発見された。
そこには、ダンテ君に寄り添い愛犬のジャーマンシェパードのダッシャーがいた。
ダッシャーはダンテ君の側を片時も離れず、怖がるダンテ君をガードし続けていたのである。


4.ひき逃げされ、亡くなった飼い主の側を離れようとしなかった犬
何者かによってひき逃げされ、死んでしまった主人の亡骸から離れようとしない1匹の犬がいた。
その事故は、米カリフォルニア州サンタクルーズのハイウェイ1号線上で夜間に発生した。
自転車の運転中、車にひかれ命を落とした男性の遺体は、朝になって発見されるまでずっと道路脇に横たわったままだった。
翌朝、ここを通りかかったドライバーにより、壊れた自転車と遺体、そして1匹の犬が発見された。
切なくもそこには、亡くなった飼い主が愛犬を乗せる為、自転車に固定してあったケースがバラバラになって地面に転がっていた。
遺体はそこに約12時間ほど横たわっていたと考えられており、その間ずっと、そのケアーンテリアの雑種犬は、悲しみにうなだれるようにしながら、遺体と寄り添っていたのだ。


5.主人の自殺を防いだ犬
愛犬のおかげで自殺を思いとどまった、という女性がフランスにいる。
ソルグの町に住む63才の女性は自身の命を裏庭で断つことを決心した。
しかし彼女の飼い犬であるジャーマンシェパードは、全力でそれを阻止しようとした。
飼い主女性がまさに発砲しようとしたその瞬間、命がけの、捨て身の体当たりをくらわせたのだ。
"その犬は事態を察知して彼女にぶつかり、助けようとしたのだろう。"と、警官は語る。
彼女は胸を怪我したものの、軽傷で済んだので無事に回復するようだ。


6.飼い主の葬儀が行われた教会のミサに、毎日出席する犬
数ヶ月前に飼い主を亡くした犬が、飼い主の葬儀が行われたイタリアの教会の礼拝に毎日出席し続けている。
主人が帰ってくるのを辛抱強く待っているのだ。
享年57歳だったマリア・マルゲリータ・ロッチさんのけなげな愛犬は7歳のジャーマンシェパードで、名はトミーという。
その昔、捨て犬だったトミーは、彼女に拾われて以来、ずっと彼女に寄り添ってきた。
ロッチさんは他にもそういった犬達を引き取っていたが、彼女の友人の話ではことのほかトミーを可愛がっていて、彼を連れて毎日教会に行っていたそうだ。
教会の司祭も、彼女の足元でおとなしくしているトミーの参加を許可していたという。
悲しいことに、彼女はイタリアのブリンディジ市近郊のサン・ドーナチで亡くなり、トミーもその葬儀に出席した。
それ以降、その教会のミサの開始を告げる鐘が鳴ると、かならず駆けつけ、教会のミサをおとなしく聞いているという。


7.亡くなったガールフレンドをガードし続けた犬
中国の漳州市で、仲良く遊んでいたオスとメスの2匹の野良犬。
このうちのメスが車に轢かれて死んでしまった。
死後、残されたオス犬は、その亡骸のそばでガードし続けていた。
勇敢にも、往来の激しい道路の真ん中で、次々とやってくる車から逃げようともせず、横たわるメス犬の隣に寄り添い続けた。
そして時折、この犬は、亡くなったメス犬に「もう起きて」とうながすように、横たわっている体をそっと押していたという。
このオス犬は6時間以上にわたり、彼女を守り続けたのだ。


8.凍った川から救出される主人を辛抱強く待ち続けた犬
コロラド川の薄い氷が割れ、川に落ちた飼い主が、消防隊に救出されるまでずっと傍らで見守り続けた主人思いの犬がいた。
その日の午後、身元不明の60歳の男性と愛犬は、カモ猟のためその川岸の上にいた。
男性は、撃ち落としたカモを取りに行こうとして氷の上を歩いた途端、薄氷を突き破って川に落ちてしまったのだ。
近くにいたハンター達がその事故を目撃して通報したが、その犬は救助を待っている間もその場を去ろうとはしなかった。
自らも川に落ちる危険性があるにもかかわらず、待合室で心配しながら待機している親族みたいにウロウロし、主人に脚を伸ばそうとしたものの、愛犬の安全を案じた主人に"危ないからあっちへ行け!"と何度も手を振られた。
それでもあきらめきれず、その場を行ったり来たりしていたという。


9.入院中の飼い主の病院をつきとめた犬
飼い主に会いたい一心で、深夜に3km以上離れた入院先まで追跡してしまったハスキー犬がいる。
その白いハスキー犬の名前はゼンダー。5年前にシェルターに居たところを、今の飼い主であるジョン・ドランに拾われた。
ドランが皮膚の病気でニューヨーク州のロングアイランド病院に入院した時、ゼンダーはひどく落ち込み、しょんぼりしつつ家の周りをあてもなくうろついていた。
そしてとうとう、夜中の3時に家を抜け出し、ウエストアイスリップにあるグッドサマリアン病院にドランがいるのをつきとめたのだ。
病院の職員は、建物の外の道路に犬が座りこんでいるのを見かけた。
犬に近づき、首輪に記入されていた電話番号に電話をかけてみたところ、この病院に入院しているドランの携帯電話に繋がった。
ドランは病室のベッドから応答することになったのだ。
その後ドランの奥さんがやって来てゼンダーを連れて帰った。
それでもどうしてもドランに会いたいゼンダーは、その後何度も家を脱走し、病院を訪ねてきているという。


10.911テロの最中、飼い主を助けようとして引き返してきた犬
2011年9月11日、盲目のコンピューター技師であるオマー・エドアルド・リベラはワールドトレードセンターの71階で働いていた。
ハイジャックされた航空機がタワーに衝突した時、リベラは自分がそのビルから避難するには途方もなく長い時間がかかることを知った。
しかしリベラは愛犬のラブラドルレトリバーにだけはなんとかして脱出して欲しいと考え、人でごった返す階段で犬のリードを外した。

"その騒音と熱は凄まじいものだったので、私はこれが永遠の別れになるだろうと感じた。でもドラドには脱出するチャンスを与えるべきだと思った。リードを外し、彼の頭をクシャクシャっと撫でてやってからそっと体を押して、"行け!"とドラドに最後の命令をだした。"と彼は語る。
ドラドはその後、出口を求めて溢れる人の波に押されながら階下へと向かったが、数分後、ある異変に気がついた。
下の方になにやら懐かしい感触がする。その感触の正体は確かめなくてもすぐに分かった。愛犬ドラドのものである。

ドラドがリベラの脚に鼻先が押し当ていたのだ。ドラドは、最後の命令を無視し、すぐにリベラ元へと戻ってきてしまったのだ。
その後ドラドは、リベラの同僚と共に、一時間近くを費やし、70階分の段差を降りる盲目の主人を助けた。
タワーから彼らが脱出後まもなくビルが崩れ落ちた。こうしてリベラは、ドラドによって命を助けられたのである。

不妊の原因が私だとわかって

中々子供が出来ず病院に行き、結果は私側の不妊。出来る可能性はかなり低い。
旦那には「無理はしないでおこう」と言われた。

姑に話すと、それまで孫が見たい孫が見たいと言っていた姑が「そうなの…仕方ないわね…」と呟いたきり黙った。
旦那が寝てからリビングで泣いていたらいつの間にか姑が隣に座ってた。
頭を撫でて「大丈夫、大丈夫だよ。お金が必要なら出してあげるけど、一番は貴女の身体なんだから無理はしちゃ駄目よ。大丈夫、貴女は息子と私が幸せにしてあげる」と言ってくれた。
姑に抱き着いてワンワン泣いてたら旦那が起きてきて、旦那も私に「大丈夫、幸せにするから」と言ってくれた。
旦那は仕事があるからって姑さんに寝なさいと言われた。その後に姑さんが「今まで無神経な事言ってごめんなさい。孫がいなくても、貴女みたいな娘が出来ただけでも充分幸せなのにね」と言ってくれた。
またワンワン泣いた。
気付いたら姑さんの膝の上で寝てた。姑さんに謝ったら「娘が泣いてるなら慰めるのが親の仕事よ」と言ってくれた。

まだ不妊治療どうするかは迷ってるけど、姑さんに何かあったら絶対助けるって決めた
旦那も姑さんも私が幸せにする。

名を聞かせ給え

加賀120万石の礎を築いた名君として名高い前田利常の家臣、平野弥次右衛門の従者に五右衛門という人物がいた。

大坂夏の陣の際、真田丸を攻めていた弥次右衛門は鉄砲隊に照準を合わせられた。
いち早く気づいた五右衛門は主君の前に立ちふさがり、十八発もの銃弾を全身に浴びてしまう。
だが五右衛門は倒れずそれどころか「なんのこれしき、かすり傷でござる!」と笑い捨てた。
合戦は一時中断、五右衛門の剛気に感銘を受けた真田丸の兵達は、「名を聞かせ給え」と五右衛門に声をかけた。

ところが五右衛門は押し黙り困惑した。下人に過ぎない五右衛門は姓を許されていなかったからだ。
これを見た主人の平野弥次右衛門はすかさず「我が姓をつかわす!」と大声で言った。

これを聞き五右衛門は渾身の力を振り絞り叫んだ。
「我こそは平野弥次右衛門が下人、五右衛門なり!
これまで御供したる褒美としてたった今姓を賜り、平野五右衛門となり申した!」
血の霧を吹き出しながら言い終え、崩れ落ちた平野五右衛門の死に顔は微笑んでいたという。

静まり返った両軍からやがて平野五右衛門を称える槍や箙を打ち鳴らす音がいつまでも続いていた。

400年ほど前の日本には男達がいた。

両親を旅行に連れて行ってやろう

高校卒業してから4年間何にもしないで家で金を使うことしかしてなかったんだ。
ネトゲやったりとかゲーム買ったりとか。たまに親にも怒鳴り散らしたりもしたな。
そんな駄目な俺が2年くらい前かな。カーチャンスレ見てから必死でバイトと勉強して
やっとCMとかやってる大手企業に就職できたんだ。本当にうれしかったよ。やっと親孝行ができると思ってね。

そんで去年かな。ある程度お金が溜まったから旅行に連れて行ってやろうと思って内緒で旅行を予約したんだ。
定番だけど温泉ね。出発の一ヶ月前に内緒で家に帰って発表したら
「ありがとう……本当にありがとう……」
と涙を流しながら喜んでくれたんだ。この為にお金を貯めたのかってくらい嬉しかった。
そんで、それを近所とかに自慢してやがるのww一人暮らししてるから近所のおばちゃんから帰省の時に言われたときは恥ずかしかったw

それで出発の3日前になって電話が掛かってきたんだよ。けど仕事中だから電話に出られなくてさその時は無視してたんだ。
んで後でかけ直したら親父が出てさ

「旅行は中止だ……」
って涙声で言うわけ。訳が分からなくて「何でだよ?風邪でも引いたの?」と聞き返したんだ。そしたら後で
「母さんが……ひき逃げされて……それで……」
頭が真っ白になってその後はよく覚えてないけど。気がついたら葬式の準備が進んでたんだ。

結局母さんは2日間意識不明だったんだけど容態が急変して死んじゃったんだ。
楽しみにしていた旅行が最悪の轢き逃げの所為で葬式になっちまったんだよ。
母さんの遺品を整理しながら自分を悔やんだね。なぜもっと早く親孝行出来なかったのかと。
遺品の中にあった日記帳にはさ
「○○が旅行を予約しててくれたみたい。やったー!」
とか
「旅行まで残り3日!!前日には○○も来るだろうから一杯ご馳走を作れるようにしとかなくちゃ!」
とかギッシリ書いてる訳。それ見てたら泣けてきてさ。濡らしたらもう読めなくなるのに。
涙で文字が滲んで読めなくなるのにボロボロと流れてきたんだ。
その後で家から出てって犯人捜したけど結局見つからず。たぶん捜査は殆ど終わってると思う。

だからこんな事が起こる前に恩返しできるやつは早く恩返ししろってこと今は父さんに恩返ししてる。文章下手ですまん。
あと飲酒運転とかしてるやつは絶対にするなよ!絶対にだぞ!!

妻との約束

80歳くらいの年配の紳士が指の抜糸をしてもらいにやってきた。
彼は9時に約束があって急いでいたので私はすぐに診察することにした。
傷を診てみると、もうほとんど治癒状態で私は抜糸をすることにした。
傷の処置をしながら、なぜそんなにお急ぎなのですか、と訊いた。
老紳士は、老人ホームの妻といっしょに朝食を摂ることになっているんです、と答えた。
彼の妻の健康を尋ねると、認知症で老人ホームにすこし前から入居しているんです、と言った。
それでは遅れると奥さんが困りますね、と問うと、
老紳士は、妻は数年来もう私のことが分からないのです、と答えた。
「もうあなたが分からないというのに、あなたは毎朝奥さんのところに行かれるんですか?」
紳士は私の手を軽くたたいて微笑んで言った。
「妻はもう私のことが分からないですが、私はまだ妻のことが分かるんです」

最期に会えて良かった

オレは東京の大学に合格し上京した。
夏休みと冬休みは実家に帰り家で飼っている猫と遊んだ。

その猫はオレが小学生の頃に、母親の知り合いのところで猫が子供を生んだからと言うので母ちゃんと一緒に見に行って、その中で一番可愛い奴を貰ってきた猫。

仔猫の時は箱にタオルを敷いて中に入れ、オレのベッドの枕元に置いて寝かせていた。
大きくなるとオレの布団に入ったり、上に乗ったりして寝ていた。

オレが東京に行くと、猫は母ちゃんの布団で寝るようになったそうだ。
でもオレが実家に帰るとオレの布団に入ってくる。

そんなある日、実家から電話が入った。
猫が母ちゃんの布団に来なくてオレのベッドの上で泣いているとそれが毎日のことなので一度帰ってきてあげて・・・

オレは金曜日の授業が終わるとそのまま東京駅に行き新幹線で帰省した、
家に着くと猫は大喜びでオレに擦り寄ってきた。
でも昔ほど元気はない、もう10才くらいになるから。
その夜、猫はいつものようにオレの布団に入ってきて、オレにぴったりくっついて添い寝をし、嬉しそうににゃーにゃー鳴いていた。

翌朝、目を覚ますと布団の中で猫は息を引き取っていた。
あまりに急なことでオレはしばらく声も出なかった。
ただ涙だけが止めどもなく溢れてきた。

その後、家族に猫の死を知らせに行った。

君が生まれるまでに

君がママのお腹にいるとわかったとき、ママは涙ぐんでいた。
妊娠したと聞いて僕は
「おーそうか」
なんて冷静に言おうとしたけどすぐに涙がでたんだ。

決して口には出さなかったけど、なかなか子供を授からないことでママは自分を責めていた。
僕はそれには気がついていないふりをしてきたから泣いたらダメだったんだけど我慢できなかったんだ。
君は生まれる前から、ただママのお腹にいただけで僕達二人を幸せにしてくれたんだよ。

それからの十月十日は毎日パパとママは君のことを考えていたんだ。
ママはお酒もカフェインも生ものも制限して生活していたし激しい運動はもちろん、人混みなんかも避けて生活したんだ。
あのママが外出を控えるだなんて信じられないだろう?

そして君の服を買ったり、家を清潔にしたり、家具を変えて君の場所を作って、無理して車まで買い換えてすべてが君を中心に動き始めたんだ。

トイレに行っても手を洗わないような僕が毎日うがいと手洗いをしたのもママに風邪を移さないためだったんだよ。

最初の3ヶ月間はとても不安だった。
僕は誰にでも早期流産の割合が15%もあるなんて知らなかったんだ。
病院で検査があって、ママからの報告メールがあるたびに本当にビクビクしながら開封していた。
だけど検査の時にもらえるエコーの写真はとても楽しみだった。
心臓の音なんかも聞かせてもらったよ。

つわりで体中に湿疹ができたこともあった。
ママの腕や腿は正常な皮膚が見えなくなるぐらいひどい状態にまでなったけど刺激の強い薬が使えないから痒くて眠れない夜もあった。
あまりに辛そうなママをみて、僕はママに
「大丈夫、絶対に良くなるよ」
と初めて根拠のないウソをついたんだよ。
あの時は僕はこんな日が半年以上も続くなら無理だと思ったけど君のママは信じられない意志の強さでつわりを乗り切ったんだ。

そんな辛いこともあったけど、君がお腹にいることで、僕はもちろん、おじいちゃんやおばあちゃんたちもとても幸せだった。

僕らは顔を合わせるたびに君の話をしたんだ。
君の体重がどうなったとか、性別はわかったのか、名前を決めたのかとかね。
君の体重が1g増えるだけで幸せだったんだ。信じられないだろう?

そして君の家族はみんな君が生まれることを1年近くも心の底から願っていた。
僕たちは君に会えるのを本当に楽しみにしていた。

ついに君が生まれた瞬間はもちろんみんな泣いた。
うれしくて。うれしくて。
生まれてきたことがうれしくて、僕もママも、おじいちゃん、おばあちゃん、ひいおばあちゃんまでが泣いたんだ。

これはあまり伝えたくないけど、僕は君の出産中あまりに懸かっているものが大きすぎてうろたえていた。
院長先生に「パパしっかり」といわれてやっとか細く2回だけ「がんばれ」ってママにいったんだよ。
生んだのはママだ。ママはすごい。

こんなことを綴って結局何がいいたいかっていうと要は君はなにかを成したりしなくても、なにか努力しなくても意味がある存在だってことだ。
(僕はいま君がうんこをするだけでものすごく喜んでいる!)
君が生まれるだけで神に感謝して涙を流した人を少なくとも僕は8人も知ってる。
そして実は君が生まれることを通じて僕自身も生まれて初めて自分は生きていていいんだと感じることができた。

もし君が自信をなくしてたり、不安を感じることがあったらこのお話を思い出してほしい。
君は生まれてきただけで本当に価値がある存在なんだ。

本当にうまれてきてくれてありがとう。
プロフィール

ナイア

Author:ナイア
どこかで見たことのある話を載せていきます。

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